ネギサブカルト

愛と偏見を持って音楽のお話をするブログ

季節、昼夜問わない

7日目 Hippo Campus「Bambi」

オススメ度 ☆☆☆☆☆

聴きやすさ ☆☆☆☆☆

いつ聴いても雰囲気がいい ☆☆☆☆☆

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ちょっと忙しくて前回から少し間が空いてしまった。

2回目の洋楽、Hippo Campus。アメリカのバンドらしい。管理人的には、今一番好きな洋楽のアーティストだ。出会いはYoutube。なんの関連動画に出てきたのかは全く覚えていないが、初めて聴いたのは「Violet」という曲。どうやら彼らにとってはそこそこ初期の曲のようだ。No busesの時と同様に、手がかかってんのかかかってないのかよくわからないMVで、でもとにかく始めのギターのコード感からいい。イントロが進むと雰囲気のいいギターが鳴り、Aメロになると急に落ち着く。サビになるとまたイントロの盛り上がりが帰ってくる。そう、このバンド、音選びのセンスと緩急のつけ方が上手。

 今回取り上げたのはそのまま、「Bambi」というアルバムに収録されている。一枚通していいのだが、その頃すっかりハマっていたのでCDを取り寄せ、紙ジャケだったのが余計に嬉しかった。この曲はすごい。イントロが始まった瞬間のシンセの音作りが絶妙。ザラザラとした音色に、音が下がるときはこれもまた絶妙な下がり方をする。メロも単純で耳に残りやすい。このメロは至る所で出てきて、曲全編を象徴するものとなっている。(そして使い所、アレンジが凝っている)歌メロ自体はものすごく何かが引っかかる訳でもないが、それが逆にサラリと聴ける秘訣になっている。曲の盛り上がりはあるんだけれど、それが爆盛り上がり!という威勢のいい感じでないのもこの曲と相性がいい。

 そしてこの曲のすごいところは、雰囲気の良さをこれだけ全面に出していて、なんだかアダルトな感じさえあるのに、365日いつの時間帯に聴いても様になるところ。朝この曲から始めてもいいし、仕事終わりにまったりと聴くのもいい。休日の昼過ぎにウトウトしながら聴くのもいい。一人で聴くのもいいし、デートで聴くのもいい。大人数の場だったらシメの一曲にもなる。万能選手!もちろん、今から聴いても最高の一曲だと思いますよ。

洋楽第一号として登場するのは

6日目 Coldplay「Politic」

オススメ度 ☆☆☆☆☆

聴きやすさ ☆☆

暗さ ☆☆☆☆

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 ネギサブカルト史上初めての洋楽。管理人が高校生の頃、洋楽のチャートを放送する番組で「Paradise」を初めて聴いた。それがColdplayとの出会いだった。今まで聴いたことのあるバンドとは違う、壮大でエモーショナルな曲調に魅了され、他の曲も聴いてみたい!とTSUTAYAで借りたのが本日の主役、「politic」の収録された『A Rush of Blood to the Head』というアルバムだった。借りた理由は簡単で、「名盤!オススメ!」とポップが出ていたから。今考えると、「The Scientist」とかその辺の所謂分かりやすい、いい曲が収録されている故のオススメだったのかもしれない。(始めに「Yellow」聴かせないんだとはずっと思っていた)ただ、『A Rush〜』のアルバムは、「Politic」から始まる。もう始めからべらぼうに暗い。syrup16gの「負け犬」並みに暗い。一曲を通して救われるような箇所が何もない。始めのCm7から暗すぎる。

 話は変わるが、当時サブスクリプションが今ほど定着しておらず、せかせかウォークマンにCDを取り込み音楽を聴いていた筆者は、TSUTAYAで適当にアルバムを5枚借りて(5枚で1000円そこらだったはず)聴くということをよくしていた。そのため時にあまり好まない物であったり、聴いてすぐ気にいるようなアルバムでなかったりすることも往々にしてあったが、お金をかけて借りたアルバム、というのが少し悔しくて何回も聴くということをしていた。その結果やはり全然好きになれないものもあれば、良さに気付いていくこともあった。今回の体験は後者に当てはまる。

 それまではメロディーがキャッチーな物を好んで聴いていた気がする。だが、悪く言えば単調、良く言えば安定感のあるメロディーがなんだか聴いていて落ち着く、ということに気が付いた。このアルバムは全体を通してそこはかとなく暗さが漂い、ある曲は感動的、またある曲はいつもは閉まってある暗い部分に働きかけるような魅力がある。Coldplayはアルバムを通して一貫している部分がありつつもカラーが結構変わるので、気になったらぜひ他の楽曲も聴いてみてほしい(この辺はかなりバンプと共通する節があると思う。このことはまたいつか触れよう)

 年月が経ち、このアルバムは単純に好きなアルバムになっていたが、思わぬ場所で耳にすることになる。用事があり夜の歌舞伎町をふらふら歩いていた時のこと。あるホストクラブの前を通りかかったら、「Politic」が流れている!中には入らなかったが、誰の選曲なんだろうか。ターゲットにする層が狭くないか。

個人的にかなりアゲな曲

5日目 cadode「カオサン通り

 

オススメ度 ☆☆☆☆☆

聴きやすさ ☆☆☆☆☆

ノリの良さ ☆☆☆☆☆

 

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 cadodeといつ出会ったのかは全く覚えていないが、これはバンドとかではなく、廃墟系アーティストと言うなんかもうよく分からないくくりの人達がやっている音楽で、その辺の詳細が気になる方はネットで検索することをオススメする。

 この曲の良さは何と言ってもノリ感。曲のどのパートを取っても分かりやすく印象に残る。始まった瞬間からいいが、Aメロ入り後のイントロがとにかくいい。リフがすごく頭に残るわけでもないのだが、大きい音で聴きたくなるし思わず体を揺らしたくなるような良さがある。コード感も洒落ている。Aメロ「水溜りを避ける間もない」の箇所では歌と一緒に音が上がっていくのがグッとくる。ただこれはシンセがかなりよくできている気がするので、「カオサン通り」にはバンドバージョンなるものがあるのだが、そちらはあまりオススメしない。こっちの真正「カオサン通り」を聴いてしまうと何だか印象が薄くなってしまう。ハウスが好きならもって来いではなかろうか。(正直ジャンル分けはかなり苦手な分野だし、管理人はそこそこ雑食なため別に重要視しないけれどこう言う時困りますね) 

 他の曲のことについていえば、「カオサン通り」以前の曲は基本なんでもいい。(ただちょっと同じ空気感なので飽きる人は飽きるかも)「異常と通常の間」「タイムマシンに乗るから」も気に入ってよく聴いていた。特に後者は「カオサン通り」とは全く違うしノリがいいわけではないが、グッとくる感じは一緒。まあこの辺がまとまったアルバムが出ているので気に入ったらそれを聴いたらいいと思う。ただ、ここ昨今出た曲達がちょっとパンチが弱目というか、ちょっと管理人に刺さっていない節があるので今後の楽曲に期待を寄せている。

こういうセンスってどこで身につくんだろう

4日目 No Buses「Tic」

オススメ度 ☆☆☆☆☆

聴きやすさ ☆☆☆☆☆

センスの良さ ☆☆☆☆☆

 

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彼らの曲に出会ったのは大学生の頃。何と言うセンスの良さ!編成は5人だが(最初は4人)程よいスカスカ具合、「おしゃれ」と言うかセンスがいい。MVの何とも言えないチープさまでもがいい。Hippo Campusが好きな管理人にとって(きっと後日このバンドを紹介すると思います)通ずるところがあり、衝撃だった。

ギターリフも印象的だし、メロもわかりやすい。ノリ感はとても良い。バンドってテクニックだけじゃないよ!と言うことを改めて教えてくれているような気がします。(実際、こういうシンプルな曲を納得いくように合わせるのはなかなか大変だけど)昨今はシティポップに影響を受けたものだったり、とにかくテクで押してくるものだったり、そういうのも別に良いし、好きだけれど、ルーツが洋楽です!っていう雰囲気はいっとき程多くのバンドからは感じられないような気がしていた。No Buses、完全に洋楽聴いて育ったじゃん。「Cut My Nails」なんて、Pavementの「Cut Your Hair」を意識してるんじゃないかななんて位の。(これは管理人の完全な推測になる)そんな、昔からあるような聴き心地の良さと、現代風(でも垢抜けきってはない)な曲調が魅力のバンド。聴いて欲しいのはもちろんだが、ぜひ大学の軽音サークルなんかでコピーしてみてはいかがとは思う。色んな人の趣味嗜好を刺激してくれそう。

きのこのファン層変化してない?

3日目、きのこ帝国「夜が明けたら」

オススメ度 ☆☆☆☆☆

聴きやすさ ☆☆☆

後期きのことのギャップ ☆☆☆☆☆

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ずっと気になっていた事がある。初期きのこファンが佐藤千亜妃ソロになってからも聴き続けているかどうか。正直方向性が180度どころかそこからさらに一周しちゃうくらい違う。そもそも、初期きのこと後期きのこでかなり違う。初期はシューゲイザーバッキバキの、かなり暗い、歌詞も過激めな、分かってくれる人に刺さればいいな、というスタンスなのを感じるが、後期はかなり明るい。大学生の軽音やってる子に届きやすいような、ポップ(当社比)な音楽。どちらがいいというのは(はたまたどちらも、か)人によって違うだろうし、好みの問題なのでそこに良し悪しはないが、管理人は断然初期。まあ前回の記事を読んで頂いた方からすれば自明の事でしょうね…。そもそもシューゲイザーが好きなので、方向性が完全に一致している。きのこは別にテクニカルなこと、特別高度なことをやっているわけではないが、ちゃんと押えるべき基本的な箇所(ギターの音作りや、歌い方等)が押さえられているので聴き手に刺さるようになっている。(もちろん、その界隈が好きなリスナーにとって)後期から入ったリスナーからすれば、一言。「暗っっっっ」って感じだろう。

じゃあ初期、後期ってどこから分かれるのって話ですが、3枚目の『フェイクワールドワンダーランド』かな、と思います。正確にいうと、『渦になる』『eureka』は初期。『フェイクワールド』と『猫とアレルギー』が“中期”としてグラデーションしているように少しずつ混ざり合い、『愛のゆくえ』『タイム・ラプス』が後期。『愛のゆくえ』の「愛のゆくえ」は映画の主題歌にもなっているし、そこから入った人もいるだろうから、自己紹介的な、初期〜中期らへんの美味しいところも混ざっているような印象。管理人自身、出会いは遅めで、中期から入っている。この中期リスナーは初期派、後期派のどちらにも分かれられる。『フェイクファー』の「フェイクファーワンダーランド」以前と以後でかなり曲の印象が変わり、私たちこういうこともできますよ、という風味のアルバムで、これが結構良い。でも、一番聴いたのは、この、「夜が明けたら」。「ミュージシャン」と少し迷った。どちらもYouTubeでライブ映像を何回も見たから。もう、歌ってる佐藤千亜妃の目が死んじゃっているのよ。どうしたって感じ。でも、そのメンタルが生み出した曲がとてもいい。歌詞も。心も中のドロッとしたところが、この曲待ってました!と言っている。ライブは何か一種神々しさを感じるのでぜひ見て欲しい。

 この時代が大好きな管理人にとっては後期は明るすぎるし、ましてソロなんて。眩しいわ。「太陽に背いて」はいい曲だけどね(進行がずるい)結局、バンドも生き物なので変遷していくため、そのバンドの何が好きかっていうところで付いていくか決まっていくのだと思います。きのこは音楽性が結構変化したので、ファン層も変化したのでは、という話でした。

迷わずこれが一番って言う

2日目 ART−SCHOOL「車輪の下

オススメ度 ☆☆☆☆☆

聴きやすさ ☆☆☆☆

聴いてほしさ ☆☆☆☆☆

 

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 前回の記事はメモリアルなものを、というスタンスで書いたので、今回は自己紹介代わりになるものを。管理人が一番好きなバンドであるART−SCHOOL。数ヶ月前、休止期間を終えて再始動、ワンマンライブを行なった。正直、本当に行きたかったが本職が休めないので叶わず。

 一番好きなバンドという割には管理人の歴は浅い。しっかり聴き始めたのは大学生になってから。でも、その存在は知っていた。高校生の頃、ストレイテナーにハマった。当時、好きになったものは何でもウィキペディアで調べる癖のあった管理人は、ひなっち(テナーBa)が以前は別のバンドに所属していたことを知る。それが、アート。そして、早速YouTubeで調べて、一番初めに聴いてみたのがこの曲。ちなみに別に代表曲とかではない。再生していきなり、安心安定ひなっちのベース。そこから全っ然上手ではないボーカルが歌い始める。(この流れ前回の鉄風と同じですね)構成も、単純。歌詞に直接的なメッセージもない。でも何故か、この曲にすごく惹きつけられた。どのくらい惹きつけられたかというと、カラオケで歌っちゃうくらい。オススメはしないですよ、変な空気になるので。

 でも、もったいないことに、そこから他の曲を聴く事がなく(当時は聴いたことのないバンドを少しずつ聴いていた)、ふと思い返して大学生、「スカーレット」を聴き、沼る。皆さんに伝えて置きたいのは、いいなと思った曲、バンドに出会ったら他の曲も2〜3曲聴いてみましょう。その曲単体が好きなのかもしれないし、そのバンドが大好きになる可能性も秘めているから。

 アートの良さは、根底は人間的な負の感情を漂わせつつ、決して卑屈すぎず、かといって押し付けがましい明るさもなく、いい塩梅で聴きやすい。めちゃくちゃ暗いな!っていう曲はそんなにない。多分。普通に、メロディーがいい。そして、絶対にボーカルは木下理樹でなければならない、というのも、「歌が下手なのがむしろいい!」とかそんなんではなくて、アートの曲は、綺麗にさらりと歌って欲しくないし、感情を乗せすぎてもなんか違う…と感じてしまう。リッキーの歌でしか、完成しない。(結局、どのバンドもだけど、バンドの中のボーカルってそういう立ち位置になれるかが重要ですよね)あとはギターもトディでないといけない。聴くとそう思う(OJ時代の曲も好きだけど)音作りも、リフも、あと精神的な面も。過去に、バンドが空中分解しかけた時に、リッキーが「トディがいないならもうアートは続けれない」と思ったのはファンから見てもそう思う。

つらつら語ってしまったけれど、何が言いたいかというと、何となく敬遠していた方はこの機会にぜひ聴いてみてほしい。10人いたら2人くらいは「いいね」っていってくれると思う。オススメ曲ならいくらでも取り上げます。

こんにちは、初めまして。

こんにちは、初めまして。ネギサブカルトです。カルト記事を書くブログではありません。音楽について偏見と愛を持って発信して行きたいと思うのでよろしくお願いします。

 1日目の記事としましては、メモリアルな日なので記事もそういった内容がいいかなと思い、「NUMBER GIRL 再解散」について触れたいと思います。

色々迷いましたが今日の一曲「鉄風鋭くなって」

 

youtu.be

 

あまりにもメジャーでしょうか、しかし、まだ聴いたことない人もいる、と考えるとこれかな、と。

「鋭くなって」という言葉に引っ張られているかもしれないけれど、とにかく全てが鋭い。初めのベースから。C#が聴こえた時点でかっこよすぎる。ベースラインなんて一曲通して聴けばすぐコピれるのに何故かかっこいい、弾きたい。(管理人は趣味でベースを弾くので、ベース目線で語ることも多々ありそうです)

 再結成のニュースが約4年前、Twitterか何かでそれを知って、思わず声が出た。まじか、生きてる間に見れるんか、夢にも思わなかった。「あの伝説のバンドが」そんな言葉も目にした。多くの人が驚き、喜んだだろう。

 その一方で、疑問もある。ナンバガって何でそんな人気なの?曲も聴きやすい訳ではないし、ボーカルが上手い訳ではないし、あのMC癖強すぎんか。何がそんなに大衆の心を動かしたんだろう。アジカンもきのこ帝国も、曲名にナンバガ入れちゃうくらい思い入れがあるらしい。ライブに行くと、「あなたナンバガ聴くんですか!?」っていう風貌の方もチラホラ(失礼)。実際、管理人自身も色々言っておきながら、全然世代ではないので、その時の空気感とかはリアルに感じる事が出来ない。だって管理人はアジカンベボベを聴いて大きくなった訳で…あれ、聴いてるバンドにめちゃくちゃ影響及ぼしてるぞ。

 バンドマン全体のテクニックが上達し、音源でもライブでも差がほとんどない昨今、ナンバガは確実に「直接聴くことに意味がある音楽」だと思う。ライブに行けば、まずあの空気感に魅了される。メンバー全員の唯一無二感。無条件にかっこいいと思ってしまう。ナンバガの楽曲の凄いところは、楽器隊のそれぞれのバランスの丁度よさと、曲のパートごと(Aメロとか)の印象の強さにあるんじゃなかろうか。前者で言えば、個々の音がしっかり主張しているのに全く邪魔でない。ナンバガリスナーなら、「ああアヒトの音だなあ…」ってなるでしょ、普段ドラムの音聴き分けられなくても。個性が共存してるっていうか、歩み寄ろうとはしてないけど、来るもの拒まず、みたいな。後者で言えば、例えば「タッチ」。ジャーンジャーンと始まり、その流れで曲が進んでくと、サビで急に乗りやすくなる。「NUM−AMI−DABUTZ」のリードは一回聴くと頭に残る。歌詞も魅力。「ZEGEN VS UNDERCOVER」『ヤバイ さらにやばい バリヤバ』何それ。

 結局、何が凄いか言語化するのが難しいけどとにかく凄い!っていうのがナンバガを形容する上で適切な気がする。魅力って、単に上手いとかそういうので纏えるものではないですからね。再解散は非常に残念だけれど、その飄々としている感じがまたナンバガらしくもある。